老後に年金を受け取る場合のポイント

ここでは、老後に年金を受け取る場合などの基本的なしくみについて、概要を簡単にご紹介します。すべてを網羅しているわけではありませんが、参考情報としてご覧いただければ幸いです。
1. 年金の受給開始年齢
老齢基礎年金は、原則65歳から受け取れます。
(繰上げや繰下げ受給される場合など、異なる場合があります)。
年金額は、過去の納付状況に基づいて決まります。例えば、40年間の納付があった場合は満額となり、年金額が高くなりますが、納付期間が短いとその分、年金額が少なくなります。
最低10年間の受給資格期間(「保険料納付済み期間」「保険料免除期間」「合算対象期間」を合わせた期間)が必要です。
- 繰上げ受給:受給を早めることで年金額が減ります。60歳から受け取れますが、1ヶ月繰上げるごとに年金額が0.4%減ります。
- 繰下げ受給:受給を遅らせることで年金額が増えます。70歳まで繰下げることができ、1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増加します。
老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた会社員や公務員が受け取る年金で、老齢基礎年金の受給資格を満たし、かつ、厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上あると受け取れます。
会社員や公務員などの厚生年金に加入していた期間が長ければ、その分、年金額が増えます。
※年金受給額の正確な数字は、毎年誕生月(誕生日が1日の場合は
その前月)に送られてくる年金定期便などでご確認いただけます。
※経過的加算や加給年金額など、特定の条件に応じて年金額が
加算されることがありますが、説明は割愛させていただきます。

2. 年金額を増やす方法
- 繰下げ受給を選ぶと、年金額が増えるため、できるだけ元気なうちに年金を受け取る予定であれば、繰下げ受給を検討するのも一つの方法です。例えば、75歳まで繰下げた場合、年金額が約42%増えることになります。
- もし年金を受け取り始めた後も働いている場合、厚生年金などが引き続き適用されることがあり、その分、年金額が増える可能性があります。
3. 年金の課税
年金にも税金がかかる場合がありますが、「公的年金等控除」という仕組みにより、すべての年金収入に課税されるわけではありません。
年金収入から一定の金額(控除額)を差し引いた後の金額が、所得税や住民税の計算対象になります。そのため、収入が公的年金のみの場合、年金収入が控除額の範囲内であれば、基本的に税金はかかりません。
なお、「公的年金等の収入」には、老齢基礎年金や老齢厚生年金のほか、確定拠出年金を年金として受け取る場合の金額なども含まれます。年金収入が一定額を超えると、税金がかかる可能性があるため、受給額や他の収入との関係を含めて確認しておくと安心です。
5. 年金の受け取り方法
- 年金は原則口座振込で支給されます。受け取る口座情報は事前に申請する必要があります。
- 受給開始前に、年金受給手続きを行う必要があります。手続きは、年金事務所やオンラインでできることがあります。
※「老齢年金の請求手続き」の流れについては、受給前に事前に
Webで日本年金機構のサイトで確認しておけば安心です。

6. 障害年金や遺族年金
障害年金や遺族年金は、一定の要件を満たす者が、年金加入者が一定の障害を負った場合や亡くなった場合などの要件を満たした場合に支給されます。障害年金と遺族年金は所得税法において非課税とされ、所得税、住民税ともにかかりません。詳細の説明は割愛させていただきます。
7. 年金の免除や納付猶予
- 経済的に困難な場合、保険料の免除や納付猶予を受けることができます。
申請をして申請が通ると、一定期間の保険料が免除や猶予されます。
国民年金保険料の免除を受けた期間は保険料を納付した期間と同様に受給資格期間として認められますが、追納をしないと、年金額が減額になってしまう点はご注意ください。
他の免除制度としては、
・産前産後休業期間中の保険料免除(納付したものと同様に扱われるる)
・学生納付特例制度(老齢基礎年金の受給資格期間に含まれるが、年金の額の計算の対象となる期間には含まれない) など
があります。
8. 年金の支給停止のリスク
- 年金受給資格を満たしていても、年金を受け取りながら仕事をしている場合、収入が一定額を超えると、年金が一部または全額停止されることがあります(在職老齢年金制度)。
9. 任意加入制度
- 国民年金の受給要件を満たしていない場合、70歳まで国民年金に加入することができ、任意で、受給期間を満たすまで、追加で保険料を支払うことができる制度です。
任意加入するには、市区役所や年金事務所に申し込みが必要で、口座振替が原則の保険料の納付方法です。
